桑圃くわばたけ)” の例文
すると、皆んなは、もう遅くて、暗くなったから、彼方の桑圃くわばたけへは行かないことにしよう、この家敷の周囲まわりだけにしようといった。
過ぎた春の記憶 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この梅は桑圃くわばたけのほとりにあるか、はじめからたもとにでも忍ばせてあったか、その辺の消息はわからぬが、青梅は元来話だけでも渇に悩む兵士の咽喉をうるおす効能を持っているのだから
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
子供桑圃くわばたけの中で、入日を見ながら遊んでいると黒い人影が、真紅まっかに色づいた彼方の細道を歩いて来た。それがこの巫女であった。巫女は子供等に向って隣村へ出る道を聞いたそうだ。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
途中とちゅう太郎たろうは、桑圃くわばたけあいだとおったのであります。
脊の低いとがった男 (新字新仮名) / 小川未明(著)