校合きょうごう)” の例文
これではいけない、多年の平家物語の校合きょうごうも、せっかくこの六道能化まで来たのに、あとはめちゃめちゃ、ここでブリ返して、こんなに魔がさすようではならない。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さて落着て居廻りを視回みまわすと、仔細しさいらしくくびかたぶけて書物かきものをするもの、蚤取眼のみとりまなこになって校合きょうごうをするもの、筆をくわえていそがわし気に帳簿を繰るものと種々さまざま有る中に
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
抽斎は時々じじ譫語せんごした。これを聞くに、夢寐むびあいだに『医心方』を校合きょうごうしているものの如くであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この尼法師、年はもはや五十路いそじを越えているが、その容貌はつやつやしい。机に向って写すは経文かと見ると、そうではなく、平家物語の校合きょうごうをしているのであります。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)