“柳盛座”の読み方と例文
読み方割合
りゅうせいざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今では世間の広くなっている末造の事だから、手を廻して西鳥越の方を尋ねさせて見ると、柳盛座りゅうせいざの裏の車屋の隣に、飴細工屋の爺いさんのいるのを突き留めた。お玉も娘でいた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
下谷の柳盛座りゅうせいざで、二銭の木戸銭で見せていた、阪東又三郎が、めっかちではあるが団十郎を真似て、一生の望みがかなって、歌舞伎座の夏休みのあきを借りて乗り出したことがあったのを
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そうして、——穂積中佐は舞台を見ずに、彼自身の記憶にひたり出した。柳盛座りゅうせいざの二階の手すりには、十二三の少年がりかかっている。舞台には桜の釣り枝がある。火影ほかげの多い町の書割かきわりがある。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)