柔道じゅうどう)” の例文
「内村君の赤ん坊の指ベービイフィンガアをうつさしてくれ」と、たのみにくる。日本の柔道じゅうどうには、小指一本で勝つ術があるのだと、みんなが信じてるのだ。
小指一本の大試合 (新字新仮名) / 山中峯太郎(著)
五番の柔道じゅうどう三段の松山さんは、「くされ女の尻を、犬みたいに追いまわしやがって——」とすごい剣幕けんまくにらみつけます。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
「ふん、そりゃものずきだな。一つおれの鉄腕てつわんでのばしてやろうか。いったい日本人の柔道じゅうどうなんぞを、このサンフランシスコにのさばらしとくのがけしからん。」
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
しかし、格闘となってはいくら浮浪人がらんぼうでも、柔道じゅうどう三段の明智探偵にかなうはずはありません。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
和歌山中学わかやまちゅうがく関口流せきぐちりゅう柔道じゅうどうを、初段しょだんくらいまでおそわったのだ。だから、ブルをこわがりもしないし、試合したって、三回が三回とも負けるとは思わない。
小指一本の大試合 (新字新仮名) / 山中峯太郎(著)
拳闘けんとう柔道じゅうどうでは、そのやり方がまるでちがう。拳闘はなぐるいっぽうである。柔道は投げる、おさえこむ、める、ぎゃくをとるというわざだ。どうして試合をしたらいいか。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
サンフラスシスコの郊外こうがいにささやかな道場を開いて、アメリカ人に日本の柔道じゅうどうを教えていたのは、富田常次郎とみたつねじろうだんであった。講道館長こうどうかんちょう嘉納かのうろう先生の最初の弟子でしだ。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
ブルは牛みたいなからだに、拳闘けんとうのしたくをかためて、堂々とあらわれた。ぼくは背広服せびろふく上着うわぎをぬいだきりだ。柔道じゅうどう稽古着けいこぎも持ってないし、わざと平気な顔をして出ていくと
小指一本の大試合 (新字新仮名) / 山中峯太郎(著)