あわてて枕許まくらもとからがったおせんのに、夜叉やしゃごとくにうつったのは、本多信濃守ほんだしなののかみいもうとれんげるばかりに厚化粧あつげしょうをした姿すがただった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ことに、このらせをけて、天地てんちくつがえったほど驚愕きょうがくおぼえたのは、南町奉行みなみまちぶぎょう本多信濃守ほんだしなののかみいもうとれんであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)