暗記そら)” の例文
ズットのちになって船体検査なんかが来ると自分で機械の側へ立って、何百という数字を暗記そらでペラペラ並べるんだから、計算した本人が舌をいちまう。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……徒党を組んでの、押し借り強請ゆすりの薬が利きすぎ、とうとう幕府おかみから、お触れ書きさえ出されましたっけねえ。あっしゃア、暗記そらで覚えておりやす。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼女は学士が植えて楽む種々いろいろな朝顔の変り種の名前などまでもよく暗記そらんじていた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)