景季かげすえ)” の例文
だから一子景季かげすえが、名馬磨墨するすみを賜わって、宇治川へ臨んだのも、親の景時にたいする頼朝の信寵の現われであったといってよい。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この様子に、景時の息子、景季かげすえ、景高、景家始め、家の子郎党十四、五人も、てんでに打物をとり、今にもうってかかろうとする様子をみせた。
物蔭に聞いていた家臣はきもを冷やした。簾の蔭に案じていたしずかもハッとした。情熱の病人は、遂に、烈火のかたまりを、景季かげすえへ吐きつけてしまった。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頃、頼朝は生食いけずき磨墨するすみという二匹の名馬を持っていた。この生食をしきりに欲しがったのは梶原源太景季かげすえである。梶原は頼朝に度々生食拝領を願い出たが
生田ノ森の梅花をえびらにさして奮戦したという梶原源太景季かげすえのような武者たちが、戦いも終わった夕べ、カムベの民の献酒をどんな風に飲んだであろうか。酒徒ならぬぼくにも、連想の興味は尽きない。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……景季かげすえ、おぬしら、臣下の者にも分ろうが
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「通せ、景季かげすえを。——会ってやろう」
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)