日文ひぶみ)” の例文
二本差のくせに、いろ/\の用事にかこつけて出入りした上、日文ひぶみまでつけたさうだ。日本一の色男の氣でゐるから助からない。
日文ひぶみ、矢ぶみで、わかるのは君だけだろうという詰問状がぞくぞくと来た。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
何ういう行間違ゆきまちがいか知りませんが、花魁はあなたのおたねを宿してゝも、あなたが此方こちらへ御窮命になりましたから、日文ひぶみ矢文やぶみを送りたくっても、そうもなりません処から、花魁がくよ/\思い詰め
それは確かでごぜえます、江戸にも無からうと言はれたきりやうで、氣位が高かつたゐせでせう、いろ/\縁談もあり、日文ひぶみ
二人は日文ひぶみを書き、人橋を架け、組頭の家の前まで、百夜ももよも通って、無言のセレナーデを献じました。
玉屋小三郎かかえの遊女薄墨の後身であり、その間夫まぶだった大井久我之助の手許には、薄墨の書いた起請きしょうが十三通、外にとろけそうな文句を綴った日文ひぶみが三百幾十本となり、このまま諦めるにしては