族霊トテム)” の例文
故に妾今もとの身を以て産をす、願わくは妾を見るなかれ〉、これは今日ポリネシア人に鮫を族霊トテムとする輩が事に触れて鮫の所作を為すごとく
動物・植物以外の天体・光線・空気等の族霊トテムを持つ部族の首長の類であつたことを見せてゐるものと見る方が適当らしい。即、「ほ」は「火」或は「日光」を標示してゐるのである。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大抵族霊トテムたる動物を忌んで食わぬが通則だが、南洋島民中に烏賊いかを族霊としてこれを食うをしとするのもある(『大英類典』第九版トテムの条)。
かくてかんがうると大国主神おおくにぬしのかみは蛇を族霊トテムとして、他部族の女に通いしが、蛇を族霊とする部族の男と明かすを聞いて女驚くを見、じて絶ち去ったと見える。
察するにその頃インドに兎を族霊トテムと奉尊する民俗があったらしい、別項虎に関する伝説と民俗とに述べた通り
上にも言った通り、この神の一族は蛇を族霊トテムとしたから、この時も品地別命が肥長比売の膚にり付けた蛇の族霊のしるしか何かを見て、その部族を忌み逃げ出した事と思う。
昔アリア種がインドに攻め入った時、那伽種この辺に栄え、帽蛇を族霊トテムとしてその子孫と称しいた。すなわち竜種と漢訳された民族で、ついにアリア人に服して劣等部落となった。
さて昔は日本にも族霊トテム盛んに行われ、一部族また一家族が蛇狼鹿、その他の諸物を各々その族のトテムとしたらしいてふ拙見は、『東京人類学会雑誌』二七八号三一一頁に掲げ置いた。