料理人いたば)” の例文
「おせい様、わたしは久助の庖丁ほうちょうが大好きなのです。ねえ、おせい様、あいつを磯屋の料理人いたばによこしてくれませんかねえ」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
幸堂氏は料理人いたばがするやうに、手拭てぬぐひたすき効々かひ/″\しくたもとを絞つて台所で俎板まないたを洗つてゐた。
いつかお話ししましたよねえ。あたらしい料理人いたばが来て、そのおじいさんは、お料理からお客のほうまで、一人でしないと気に入らないといった——久助きゅうすけというのですよ。ひとつ手腕うで
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
久助は、どこから見ても、料理人いたばの久助らしい人物なので、磯五は安心をした。かなりの年齢としだが、がっしりしたからだつきで、江戸でよく見る、そういう職人らしい粋なおやじである。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)