撞球たまつき)” の例文
学校の帰りや撞球たまつきの帰りなどに時々苗木栽培地ペピニエールのまわりを散歩する五、六人の学生から、自然に注意されるようになった。
横浜に支店を持った宝沢——妻帯した彼——直一なおいちと名づけた子供——彼の酒癖——彼の撞球たまつき——彼の猟銃。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
撞球たまつきの玉のように、羅紗らしゃの台の上をころがって歩いているとしますならば、彼の愛する妻たるわたくしが、どうして同じところにとどまっていられるものでございましょう。
詩は一番下手へたでしたが、その代り麻雀マージャン撞球たまつきは上手で、国府金弥氏の秘書として、少壮実業家としては非凡の才能を持っているばかりでなく、風采が立派で、人ずきがよくて、座談に長じて
彼は快活な背の低い老人で、教服をまくって下から赤い靴下くつしたを出していた。その特長は、大百科辞典をきらうことと、撞球たまつきに夢中になることとであった。
芝居しばいの女優を喝采かっさいしてはおのれの趣味を示さんとし、兵営の将校と争論してはおのれの勇者なるをてらい、狩猟をし、煙草をふかし、欠伸あくびをし、酒を飲み、嗅煙草かぎたばこをかぎ、撞球たまつきをし
お前は芝居や舞踏会や珈琲コーヒー店や撞球たまつき場に出入りし、気がきいており、女の気に入り、男振りがいい。わしは夏の最中でも火にかじりついてる。お前は富の中での富である若さを持ってる。
しかもそこから少し先の街路には珈琲コーヒー店の中に撞球たまつきの音が聞こえている。