“摺鉢山”の読み方と例文
読み方割合
すりばちやま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(されども考証家の説にれば真の秋色桜の位置は此処ここにあらずして摺鉢山すりばちやまに近き方なりと)
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
脚袢きゃはん手甲てっこうがけ、編笠あみがさかぶった女の、四人五人、高箒たかほうきと熊手を動し、落葉枯枝をかきよせているのをば、時々は不思議そうに打眺うちながめながら、摺鉢山すりばちやまふもとを鳥居の方へと急いだ。
曇天 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ある時は、上野摺鉢山すりばちやま——あの、昼も小暗おぐらく大樹の鬱蒼うっそうとしていた、首くくりのよくある場所——上野公園のなかでも、とくに摺鉢山。ある時は九段——これも、日中あまり人通りがなかった場所だ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)