摺木すりこぎ)” の例文
剥いた豆は御覧の通り擂鉢すりばちへ入て先ず摺木すりこぎでよく搗砕いてそれから充分に摺潰すりつぶすのですがこれもなかなか骨が折れます。炒りようが悪いほどねばりついて摺れません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
摺木すりこぎに足が生えたり、やぶれ障子が口を開けたり、時ならぬ月がでなどするが、例えば雪の一片ひとひらごとに不思議の形があるようなもので、いずれも睡眠に世を隔つ、夜の形の断片かけららしい。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)