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捥
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もが
ふりがな文庫
“
捥
(
もが
)” の例文
すると文吉は
擽
(
くすぐ
)
ったさが鼻へ抜け、痛さが身体中の
要処
(
ようしょ
)
々々の力を引抜き、たゞ「あー あー」と口を開けて全身は空に
捥
(
もが
)
くだけであります。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
腕を引っこ抜く
勢
(
いきおい
)
で、
捥
(
もが
)
いて、掻巻をぱっと
剥
(
は
)
ぐ、と戸棚の
蔽
(
おおい
)
は、
旧
(
もと
)
の処にぼうと
下
(
さが
)
って、何事も別条はない。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は苦しさに
堪
(
た
)
へで
振釈
(
ふりほど
)
かんと
捥
(
もが
)
けども、
嘉納流
(
かのうりゆう
)
の覚ある蒲田が力に敵しかねて、なかなかその為すに
信
(
まか
)
せたる幾分の安きを頼むのみなりけり。遊佐は驚き、風早も心ならず
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかしドーブレクは死に
捥
(
もが
)
きつつ苦しい息の下から『マリー……マリー……』と云う細い声を漏すばかり。でもルパンは遂にその夜深更に至ってドーブレクを救出すことに成功した。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
二人の女中は周章て飛んで来て
宥
(
なだ
)
めつ
賺
(
すか
)
しつしましたが、わたくしは極度の恐怖が身体も手も慄えさしまして、
遮二無二
(
しゃにむに
)
この
茨
(
いばら
)
の館から遁れ度く、女中の腕から放れようと懸命に
捥
(
もが
)
きます。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
捥
部首:⼿
11画
“捥”を含む語句
捥取
捥放
捥木