振垂ぶらさが)” の例文
此隙このひまに私は母と談判を始めて、今晩一晩泊めて遣ってと、雪洞ぼんぼりを持った手に振垂ぶらさがる。母は一寸ちょっと渋ったが、もう斯うなっては仕方がない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
動物的の愛なんぞは何処かの隅にそっしまって置き、例の霊性の愛とかいうものをかつだして来て、薄気味悪い上眼を遣って、天から振垂ぶらさがった曖昧あやふやな理想の玉をながめながら
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)