拿捕だほ)” の例文
「船長。ああいう場面を撮影されちまったんですから、サイゴンに入港するとたんに訴えられ、そこでそのまま拿捕だほされてしまいますぞ」
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところへ、貴方が拿捕だほされた『室戸丸』の船長から——それが現在私の夫ではございますが、貴方の遺品かたみを贈るという旨を申しでてまいりました。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
拿捕だほされて旗を降ろすもあるし、そのほかは、帆を逆しまに逃げ出して、さんざんな敗戦に終ってしまった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨日の新聞に米船ハリソン号を浅瀬に追いつめて拿捕だほに協力したと輝かしい偉勲を伝えられている長崎丸、私が長崎から乗った往路は多分その長崎丸であったろう。
中支遊記 (新字新仮名) / 上村松園(著)
この船長は大東亜戦争の始つた日、上海沖でアメリカ商船を見つけ、無装備の商船ながら之を追跡、体当りの意気込みで、とうとう之を拿捕だほしたといふ武勇をもつた人である。
五月の詩 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
やがて北軍船舶を拿捕だほするための巡洋艦の建造を英国商社に発注した。
黒田清隆の方針 (新字新仮名) / 服部之総(著)
警防団員と勇敢なる隣組員の協力によって拿捕だほせられた。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ええっ、なんだって。麻綱をつたっていって、あの怪塔を拿捕だほするというのか。貴様、えらいことを考えだしたな、ううむ」
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一九一七年三月三十日、室戸丸は『鷹の城』のために、晩香波バンクーバー島を去る七〇カイリの海上で拿捕だほされました
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
けれどこのおびただしい追捕ついぶの船列が、翌晩、みすみす伯耆沖で帝の逃亡船らしきものをみとめながら、それを拿捕だほできず、かえって一夜中、疲労困憊こんぱいのさまよいを海上にみせていたのは
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白鳳はくほう丸と改名されて英薩戦争で英艦隊に拿捕だほされ焼棄された。
咸臨丸その他 (新字新仮名) / 服部之総(著)