拝誦はいしょう)” の例文
私は、先夜、先生の千人風呂という作品を拝誦はいしょうさせていただきましたが、やはり興奮いたしまして、失礼ながらお手紙さしあげたはずでございますが。
狂言の神 (新字新仮名) / 太宰治(著)
と、そう云ってやったのであったが、辰雄は他意なくそれを読んだと見え、それから四五日後に訳の分った回答を寄せた。———御丁寧なお手紙を拝誦はいしょうしてお心持はよく諒承りょうしょうした。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
先般貴書拝誦はいしょう、無事御卒業奉賀候がしたてまつりそうろう。御成績も当○高出身者中随一にて満足に存上候。さて平凡な比喩ひゆながら、これからが社会の大学に御座候。貴君はこゝに於ても上乗の成績を御期待のことゝ存候。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「拝復。四日深夜附貴翰きかん拝誦はいしょう。稿料の件は御希望にはえませんが原稿は直ちに御りかかり下さる様お願い申します。普通稿料一円です。先ずは御返事まで。匆々そうそう。『秘中の秘』編輯部。」
二十世紀旗手 (新字新仮名) / 太宰治(著)