打臥うちふ)” の例文
心地すぐれざるも打臥うちふすほどにもあらねばめりとはいひがたし。やまいなくして病あるが如き身のさまこそいぶかしけれ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「お父上は?」と、老父の状を問い、先ごろからご微恙びようできのうまで打臥うちふしておられたが、きょうは床を払って朝からお待ちになっていると聞くと
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三吉が膝とほぼ直角をなして(はてむずかしい形容だ、)打臥うちふしたる天窓あたまありしが、この時むくと起直りて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
只病気とのみ申し打臥うちふしたまゝ一言いちごんも女房の邪慳なことを口外致しませぬ故、一向心付かんで居りました
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
旧識同伴の間闊とおどおしきを恨み、生前には名聞みょうもんの遂げざるをうれえ、死後は長夜ちょうや苦患くげんを恐れ、目をふさぎて打臥うちふし居たるは、殊勝しゅしょうに物静かなれども、胸中騒がしく、心上苦しく、三合の病いに
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
かぼそくも打臥うちふしおはす風邪寝かな
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)