手紡てつむぎ)” の例文
昔はいずれも手紡てつむぎ手織ておりの布で、農事の合間になされた仕事でした。今も一部はそのようにして織られていますが、大部分は仕事を家庭から工場に移しました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
評判が高くなったため、まがいものも作られはしますが、少くとも一部は本当に手堅い仕事を続けます。糸も手紡てつむぎで、染めも正藍しょうあいを用い、昔風な地機じばたで織ります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そのためすべてに沖縄のふうが残り、このつむぎもその影響で出来たものであります。本来は手紡てつむぎの糸を地機じばたで織ったのでありますが、段々普通の絹糸を使うようになりました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
質極めてよく、一反の値が八、九円から、上等品になると二十円を呼ぶ。もとより手紡てつむぎ手織の白木綿である。宇治では一斤六、七十円の玉露ぎょくろが作られ、東京では一帖四十円の海苔のりがあると言う。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)