“手刀（てがたな）” の例文

私は手刀（てがたな）で力をこめて頸（くび）筋を、えいえい、とたたいた。たたく度に後頭部に、しびれるような感覚を伴（ともな）って血が上って来た——

桜島 (新字新仮名) ／ 梅崎春生(著)

カッとなって斬り込む大川原五左衛門の刃（やいば）、長谷倉甚六郎身を捻（ひね）って片手拝みの手刀（てがたな）。

銭形平次捕物控：065 結納の行方 (新字新仮名) ／ 野村胡堂(著)

「仔細（しさい）はわからないが、かれらは公儀の秘事をあばいたそうだ、世間へもれてはならない重大な秘事をあばいたので」そう云いながら、弥兵衛はまた左の掌を右の手刀（てがたな）でいさましく打った

樅ノ木は残った：04 第四部 (新字新仮名) ／ 山本周五郎(著)

“手刀”の意味

《名詞》
手刀 (てがたな、シュトウ)

空手道などで、手を刀にかたどって、相手の急所を攻撃したり、あるいは防御したりするのに用いる、その手。親指を曲げ、他の四指を揃えて密着させた形でやや内側に曲げ、掌の小指側の肉の厚い部分に力を入れて打つ。

（context、sumo） 相撲の取組に勝利した力士が勝ち名乗りを受けて懸賞を受け取る際の儀式。右手で左、右、中央の順で3回空を切り行司から懸賞を受け取る。

片手を立てて小さく上下させること。軽い謝意を示すときや詫びを言うとき、人前を通る際などに行う。
(出典:Wiktionary)

“手刀”の解説

手刀（てがたな）は、日本の儀礼のひとつである。
大相撲で勝った力士が懸賞を受け取るときに手でおこなう所作もこれに含まれる。
(出典:Wikipedia)

手	常用漢字 小１ 部首:⼿ 4画
刀	常用漢字 小２ 部首:⼑ 2画