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愁歎場
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しゅうたんば
ふりがな文庫
“
愁歎場
(
しゅうたんば
)” の例文
彼の母親は大泣きに泣いて十幾幕も
愁歎場
(
しゅうたんば
)
を見せた。彼の祖母は三度井戸に飛び込んで三度引上げらた。あとで彼の母親は
到処
(
いたるところ
)
で説明した。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
わあ、また
愁歎場
(
しゅうたんば
)
か。
汝等
(
なんじら
)
は、よく我慢してあそこに頑張っておれるね。神経が太いんだね。薄情なんだね。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その
間
(
あいだ
)
に部下はいち早く、ピストル強盗の
縄尻
(
なわじり
)
を
捉
(
とら
)
えた。その
後
(
あと
)
は署長と巡査との、旧劇めいた
愁歎場
(
しゅうたんば
)
になった。署長は昔の
名奉行
(
めいぶぎょう
)
のように、何か云い
遺
(
のこ
)
す事はないかと云う。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
食品を運んで来る女中は、わたくしたち中年前後の夫妻が何か
内輪揉
(
うちわも
)
めで
愁歎場
(
しゅうたんば
)
を演じてるとでも思ったのか、なるべくわたくしに眼をつけないようにして
襖
(
ふすま
)
からの出入りの足を急いだ。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
山奥の田舎から出て来たばかりの
赤毛布
(
あかげっと
)
は、妙なところに感心したりして、そうして、雀三郎の政岡の「とは言うものの、かわいやな」という
愁歎場
(
しゅうたんば
)
を見て泣き、ふと傍を見ると
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
それから女と泣き別れの
愁歎場
(
しゅうたんば
)
がよろしくあって、とどあの晩汽車の窓で
手巾
(
ハンケチ
)
を振ると云うのが
大詰
(
おおづめ
)
だったんだ。何しろ役者が役者だから、あいつは今でも僕が国へ帰っていると思っているんだろう。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
愁
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
歎
漢検準1級
部首:⽋
15画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“愁歎”で始まる語句
愁歎