“しゅうたんば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愁嘆場53.8%
愁歎場46.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眼もあてられない愁嘆場しゅうたんばで、送りの同心もつい貰い泣きをすることがあるそうです。……まあ、そのうちに竹法螺たけぼらが鳴って囚人は川岸から艀舟へ追いこまれる。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一場の不可解な愁嘆場しゅうたんばは衝立の蔭になっていたので、他の誰にも見えなかったのは幸でした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのあいだに部下はいち早く、ピストル強盗の縄尻なわじりとらえた。そのあとは署長と巡査との、旧劇めいた愁歎場しゅうたんばになった。署長は昔の名奉行めいぶぎょうのように、何か云いのこす事はないかと云う。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
食品を運んで来る女中は、わたくしたち中年前後の夫妻が何か内輪揉うちわもめで愁歎場しゅうたんばを演じてるとでも思ったのか、なるべくわたくしに眼をつけないようにしてふすまからの出入りの足を急いだ。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)