思召ぼしめし)” の例文
すべて神様のお思召ぼしめしさ。おれは、わるくないんだ。けれども、前生ぜんせに亭主を叱る女か何か、ひどく汚いものだったために、今その罰を受けているのだ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
イイエこれで沢山たくさんです。貴君あなたのお志を戴くのですから半襟はこれで結構です。私がかけませんでも外にもちいる処が沢山あります。折角のお思召ぼしめしですからこれを
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もっとも若い男のことだから、美しい女給の誰かにお思召ぼしめしのあったらしいことは言うだけ野暮やぼである。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「何事も神様のお思召ぼしめしですよ、阿母さん!」とチチコフは、溜息を一つついてから言った。
きっとホトケ様のお思召ぼしめしなんでしょう……いや、とにかく嬉んでお話いたしましょう。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
なに、博士ぐらゐなら何時でもなれます、拙者は海外を実地踏査して行政上の意見を当路者たうろしやに呈出しやうと思つたですが、嬢様のお思召ぼしめしなら明日にも官を辞して博士論文を書きませうと。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
もしお思召ぼしめしがおありになったら、神戸側を代表すると云うことにして、奥様と、雪子お嬢さんと、———御姉妹がお揃いになった方がよいから、なるべくならこいさんも都合して下さって
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何うか一つ叔母さまのお怨みをお晴し下されば誠に有難いことゆえ、実は叔母さまがわたくしの方へでも入らしって、病人に会って下さるようなお思召ぼしめしになれば、病気も全快致しましょうかと存じまして
殿のお思召ぼしめしの程は、どうでござりましょうか
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
是非とも願う、お思召ぼしめしを下さい