忌服きふく)” の例文
貴様は福澤の主人になったと知らせてれるくらいの事だ。てその跡をついだ以上は、実は兄でも親だから、五十日の忌服きふくを勤めねばならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
子上を産んだ子思の奥様が離縁になってのち死んだ時、子上のためには実母でありますが、忌服きふくを受けさせませんから、子思の門人が聖人のおしえに背くと思って
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その中でも忘れがたみの皇子はそばへ置いておきたく思召したが、母の忌服きふく中の皇子が、けがれのやかましい宮中においでになる例などはないので、更衣の実家へ退出されることになった。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
左京太夫頼淳よりあつと號して從四位少將せうしやうに任じて家督かとくとし主税頭ちからのかみ信房卿は是より本家相續さうぞく相成あひなり紀州和歌山にて五十五萬五千石のぬしとはなり玉へり舍兄しやけい綱教卿は忌服きふく十二月朔日ついたちに明けよく二日從三位中納言ちうなごんに任ぜられ給ひけり。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)