御臨終ごりんじゅう)” の例文
「それは先生」曽我貞一と名乗る男は一寸ちょっと云いよどんだが、「先生は御臨終ごりんじゅうの苦しみを続けていらっしゃるのです。目をおましなさい」
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
深いなれども御舎弟様が御家督と云えばお快くないから御臨終ごりんじゅうが悪かろうと思う、どうもお四才よっつでもお血統はお血統、若様を御家督にするが当然かと心得るな
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
このいやしい手で取ってさし上げましたよ——御臨終ごりんじゅうは、おしずかで、死んでゆきなされるのをかえってよろこんでおいでだったようで、あの分では未来は極楽——そこは
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「ああ、お気の毒なことをしました。最早もはや御臨終ごりんじゅうです」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)