御積おつもり)” の例文
庭樹のしげりに隠れ行く篠田の後影うしろかげながめりたる渡辺老女のまぶたには、ポロリ一滴の露ぞコボれぬ「きツと、お暇乞いとまごひ御積おつもりなんでせう」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
使途つかいみちのない人間になって一生を送られる如くに、一切の女を良妻賢母ばかりに仕立あげ御積おつもりでしょうが、生憎あいにくな事には、女は妻となり母となる前に娘という華やかな若い時代があります。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)