御榊みさかき)” の例文
燈明は一勺いっしゃくの油の作用であり、御榊みさかきはそこらにもある植物の一枝である。白い紙包みとて、中には、数箇の蕗のとうがあったに過ぎない。——物としてこれらをみれば物。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大いにお祭をし、大いにはたらけ、それが秀吉さまもおすきだぞ! とばかり、いまも本殿ほんでん御榊みさかきをひっかついで、ワーッと矢大臣門やだいじんもんへなだれてきたのは、やすらいおどりのひとかたまり。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その御榊みさかきのそばへ、彼の背伸びした手がそっと白い紙包みをのせていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
終って、各〻めいめいが順に、御榊みさかきをささげる。神酒みきをいただく。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)