御垣みかき)” の例文
でも、大伴と言うお名は、御門みかど御垣みかきと、関係深いとなえだ、と承って居ります。大伴家からして、門垣を今様にする事になって御覧ごろうじませ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
それ以外に、何のわきまえもござりませぬ。そのかわり事しあれば、尾張より美濃近江路おうみじの敵地もこえて、三日のうちには御所の御垣みかきまでいつなと馳せ参ずるが信長の能事のうじにござります。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風吹きてさむきみ冬を御垣みかきした浜防風の茎の真赤まあか
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あめみや御垣みかきるに、いかなれば
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
光厳院こうごんいん法皇の御分骨をおさだめしてある霊地といい伝えておりますが、足利の世このかた、御垣みかきは仆れ、朽葉にうずもれ、あまりに荒れはてておりますので——今日はふと、朝から母といいあわせて
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)