御園みその)” の例文
此年の暮れむとする十二月二十五日に、広島では春水が御園みその道英のぢよじゆん子婦よめに取ることを許された。不幸なる最初の山陽が妻である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この間は春風に浮かされまして御園みそののうちへ参りましたが、どんなにその時の私がまた御心証を悪くしたことかと悲しまれます。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
おなじく留学生候補の学士ださうで今は或る私立学校の哲学と歴史の講師をしてゐる御園みその草四郎くさしらう、自称青年政事家で某新聞のパリ/\[「パリ/\」に傍点]記者とかいふ大洞おほゞら福弥ふくや
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
遠音に響くピヤノとウァイオリンの節面白き合奏も、神の御園みそのの天楽と聴かれて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
小林紋三こばやしもんぞうはフラフラに酔っ払って安来節やすきぶし御園みその館を出た。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
解脱げだち常宮とこみや、——歌の御園みその
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
春水は山陽を訪ふとき、養嗣子聿庵いつあんを伴つて往つた。即ち山陽の実子御園みその氏の出元協げんけふである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
神の心を摸型かたとりの 人てふむねを忘れてき 神の御園みそのの海山を 血しほ流して争へり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)