従五位じゅごい)” の例文
武鑑で大名は壱岐守いきのかみ伊賀守いがのかみ周防守すおうのかみであったものが、ここではすべて正二位しょうにいから従五位じゅごいにいたる廷臣としての序列でならんでいる。
武鑑譜 (新字新仮名) / 服部之総(著)
「幕臣でありながら浮浪者ふろうものと往来する高橋伊勢め、幸いの折だ、清川もろともに叩き斬るがよい、それとも従五位じゅごいの槍がこわいかな」
富豪が製艦費を献納して従五位じゅごいをちょうだいするのと大した変りはない。道也が追い出されたのは道也の人物が高いからである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
金で酒を買い、金でめかけを買い、金で邸宅、朋友ほうゆう従五位じゅごいまで買った連中れんじゅうは金さえあれば何でも出来るさと金庫を横目ににらんでたかくくった鼻先を虚空こくうはるかにえす。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)