律調しらべ)” の例文
そこらの小路こうじ公卿くげ屋敷らしい。吹奏すいそう律調しらべの厳かなうちにも哀調があるところから察すると、酒興にけている公卿たちのすさびとも思われない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むらさき夏に潤ふ律調しらべの園。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
結局、彼は、神楽囃子かぐらばやし律調しらべを頭に描きながら、木の葉をくちに当て、しきりと妙な音を吹きたてて道の遠さを忘れて来たが、やがて法典ヶ原の近くまで来たかと思う頃
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)