役替やくがえ)” の例文
殿「其の方が久しく参らん内にわし役替やくがえを仰せ付けられて、かみより黄金を二枚拝領した、何うだ床間これにある、悦んでくれ」
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
十月、家督相続がすみ、能勢因幡守のせいなばのかみの二女竹姫を奥方に迎え、それぞれに新知、加増、役替やくがえがあった。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
井伊家の出府と帰国の期日は毎年五月の定めであるから、黄石はこの日詩文の友を招いで別筵べつえんを張ったものと思われる。井伊掃部頭直亮は三年前天保十二年五月の役替やくがえに大老職をめたのである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もう一つ役替やくがえでも致したら、内々ない/\は若竹の方でも己が手前に手を付けた事も知っているが、己が若竹へ恩を着せた事が有るから、あれも承知して居り
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)