弥陀如来みだにょらい)” の例文
旧字:彌陀如來
仏壇といっても、寧子はまだ良人の遠祖も近親の故人も知らなかったので、ただ一体の弥陀如来みだにょらい持仏じぶつをそこにまつっただけのものである。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土間の内に、四畳半ほどの庵室が二つあり、その奥まった室には、床に弥陀如来みだにょらいが安置されてあって油入りの燭台が二基。杏色の灯がチロチロと燃えていた。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
往生したのは天保てんぽう十一年×月十三日で、其の前日の十二日には弥陀如来みだにょらい来迎らいごうを拝したと云われている。
女仙 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
保胤は弥陀如来みだにょらいの徒であったのはおかしい。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まぎれもない弥陀如来みだにょらいのすがただ。もちろん、精巧ではないが、童心そく仏心である。どんな名匠の技術でも生むことのできないものがこもっている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、山には山のおきてがある、よしや、座主はゆるされても、おきてがゆるさぬ、弥陀如来みだにょらいがゆるし給うまい
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、もう一体の弥陀如来みだにょらいをつかみかけると、童子は、びっくりしたように起って
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ気のどくなおまえ方に慈悲の手を垂れよと、弥陀如来みだにょらいの仰せをうけているまでだ
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弥陀如来みだにょらい
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)