引締ひきしま)” の例文
桃色の清らかな肌と、並々ならぬ智惠の光を藏した大きい眼と引締ひきしまつた可愛らしい口許を見ただけでも、この娘が唯の奉公人でないことはよくわかります。
両唇の角をちょっと上へ反らせるとひとをらすような唇が生き生きとついていた。胸から肩へ女になりかけの豊麗ほうれいな肉付きがり上り手足は引締ひきしまってのびのびとびていた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
細面ほそおもての色白で、パッチリした眼、少し高い鼻、引締ひきしまった唇、これだけを見て居ると、優れた芸術品にあるような魅力を感じさせますが、うした造化の間違まちがいかこの一番立派な顔へ
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)