“引比”の読み方と例文
読み方割合
ひきくら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一 つらつら四季を通じてわが国草木そうもくの花を見るに、西洋種せいようだねの花に引比ひきくらぶれば、ここにおのずから特殊の色調あるを知る。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
という句などは、私たちもまだ記憶するが、こちらの歴史に引比ひきくらべてみると、王仁わにの『千字文せんじもん』などよりはこれはまたずっと前のことで、明かに詩人の空想であったことがすぐにわかる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
自国の国民性に引比ひきくらべて、日本人もその点で間もなくをあげるものと思い込んでいた。ところが、最近、各方面から集まって来る秘密情報は、彼のこの確信をぐらつかせるようなものばかりである。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)