引捩ひきねぢ)” の例文
蒲田は物をも言はずくだんの手形を二つに引裂き、遊佐も風早もこれはと見る間に、なほも引裂き引裂き、引捩ひきねぢりて間が目先に投遣なげやりたり。彼は騒げる色も無く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
留りては裂き、行きては裂き、裂きて裂きて寸々すんずんしけるを、又引捩ひきねぢりては歩み、歩みては引捩りしが、はや行くもくるしく、後様うしろさま唯有とあ冬青もちの樹に寄添へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はその文を再三柱にむちうちて、終になはの如く引捩ひきねぢりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)