引取ひきとら)” の例文
光陰くわういんは矢よりも早く流るゝ水にさもたり正徳元年辛卯年かのとうどしれり玉之助も今年七歳になり嘉傳次が病死の後は感應院方へ引取ひきとられ弟子となり名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私はどうしてあの娘が姿を見せているうちに、その所番地を訊いて訪ねて行き、微力ながら引取ひきとられるものなら引取って芸術的な教育でもしてやらなかった事が、私の悔いは果てしもありません
かりたしとの事なり未だ其方にはなしは致さねども當年たうねんの内には元服げんぷくさせ養子にせんと思しも本店へ引取ひきとられては我が所存しよぞんむなしく殘念ざんねんなれども外々ならば如何樣にもことわり申すべきが本店の事なれば是非ぜひに及ばず明日よりは彼處かしこへ參り一しほ出精しゆつせいし奉公致しくれべしと申渡しければ吉之助は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)