平時ふだん)” の例文
岩——の士族屋敷もこの日はそのために多少の談話と笑声しょうせいとを増し、日常ひごろさびしい杉のもり付近までが何となく平時ふだんちがっていた。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
舞台と平時ふだんとの区別もなく白く塗りたてて、芸に色気が出ないで、ただの時は、いやに色っぽい、女役者の悪いところだけ真似るのをいやがっている九女八くめはちは、銀のべの煙管キセルをおいて
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)