帰来かへり)” の例文
旧字:歸來
「それぢやその新聞が違つてゐるのだよ。阿父さんは先之さつき病院へ見舞にお出掛だから、間も無くお帰来かへりだらう。まあ寛々ゆつくりしておいでな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「直道、阿父さんのお帰来かへりだから、泣いてゐちや可けないよ、早く彼方あつちへ行つて、……よ、今日は後生だから何も言はずに……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あるひは飲過ぎし年賀の帰来かへりなるべく、まばらに寄する獅子太鼓ししだいこ遠響とほひびきは、はや今日に尽きぬる三箇日さんがにちを惜むが如く、その哀切あはれさちひさはらわたたたれぬべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)