希代きだい)” の例文
畸形児なんてものは、多くは白痴か低能児だが、あいつに限って、低能児どころか、実に恐しい智慧者ちえしゃなんだ。希代きだいの悪党なんだ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
まず、権律師禅栄ごんりつしぜんえいというのが、やはり当寺の僧徒で希代きだいの達人、これが宝蔵院のあとをつぎ申して、相変らず槍をやっておられたようにござる。
言語道斷ごんごだうだん希代きだいなり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
しかも「二十面相」という希代きだいの怪賊なのです。ワクワクする気持は、ネズミのばあいの、十倍も二十倍も大きいものでした。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「黄金どくろの秘密」をめぐって、希代きだいの怪人と、少年名探偵の、勝負がはじまろうとしているのです。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これに希代きだいの女賊がからみ、名探偵明智小五郎とかれんな二少年の冒険談がつけくわわっているのですから、新聞記事としては、じつに申しぶんのない大事件でした。
大金塊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると、あの希代きだいの変装魔二十面相は、やっぱり生きていたのでしょうか。ああ、なんということでしょう。あの怪物が、この東京のまんなかを大手をふって歩いていたなんて。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ああ、日本一の名探偵と希代きだいの怪盗とのたたかいは、いよいよ、その絶頂にたっしようとしています。明智勝つか、二十面相勝つか。その決戦の日こそ待ちどおしいではありませんか。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
手をやいていた希代きだいの凶賊が、なんと思いがけなくつかまったことでしょう。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
今は獄中ごくちゅうにつながれているはずの、希代きだいの宝石泥棒です。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)