“布石”の読み方と例文
読み方割合
ふせき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さらに布石ふせきのもようまで説明されたらと考えると、とうてい自分の忍耐力ではかなわないと思い、ちょっとなつをみまって来ると、立ちあがってその座敷から逃げだした。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それに彼が吉野へ来てから着々とすすめていた南党再起の布石ふせきもととのい、熊野海賊の洋上勢力も傘下さんかに加え、また近くには、河内の東条に前衛本陣をきずいて、そこには
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、その原因は、勾当こうとう内侍ないしの色香でなく、円心の詭計きけいでもない。一に彼の尊氏観が甘かったところに起因し、尊氏が打ッて逃げた“退きの布石ふせき”を読み違えていたことに重大な錯誤さくごがある。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)