巴町ともえちょう)” の例文
あの火口と硫黄をつけた稽古矢を、飯倉いいぐら巴町ともえちょうの弓師に見せて来るがいい、——誰があつらえた矢か解るだろう。
もっとも、その前日も、金子かね無心の使に、芝の巴町ともえちょう附近あたりまで遣られましてね。出来ッこはありません。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし頂上まで来た時には、彼等の一団は丘を下り、巴町ともえちょうの方へ走っていた。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
次に逢ったのは、その弟で矢吹狷之介、十九歳の大柄な青年ですが、元服はしても部屋住で、西久保巴町ともえちょうの邸に帰って、やがて家禄を継ぐ事になっている——と村川菊内が説明してくれます。