巣湖そうこ)” の例文
先陣に立った満寵は、巣湖そうこの辺まできて、はるか彼方の岸を見ると、呉の兵船は、湖口の内外に、檣頭の旗をひるがえして、林の如く密集していた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、呂蒙りょもうの意見を容れて、濡須じゅしゅ安徽省あんきしょう巣湖そうこ長江ちょうこうの中間)の水流の口から一帯にかけて、つつみを築いた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「仕官するのを好まないようです。魯粛の友人の劉子揚りゅうしようというのが、巣湖そうこへ行って鄭宝ていほうに仕えないかとしきりにすすめている由ですが、どんな待遇にも、寄ろうとしません」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
魏をおびやかすことしきりでしたが、魏主曹叡そうえいもまた合淝がっぴまで出陣し、満寵まんちょう、田予、劉劭りゅうしょうの諸将をよく督して、ついに呉軍の先鋒を巣湖そうこに撃砕し、呉の兵船兵糧の損害は甚大でした。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陸遜は、呉の総帥そうすいとして、その中軍を荊州まで進めていたが、巣湖そうこの諸葛瑾が大敗した報をうけて、「これはいかん——」と、早くも当初の作戦を一変して、新たな陣容を工夫していた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世が泰平ならば、或いはそれも結構ですが、天下の時流はあなたのような有能の士を、こんな田舎におくことは許しません。——巣湖そうこ鄭宝ていほうに仕えるくらいなら……あえてそれがしは云いきります。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)