巌組いわぐみ)” の例文
巌組いわぐみへ、池から水の落口の、きれいな小砂利の上に、巌の根に留まって、きらきら水が光って、もし、小雨のようにさします朝晴の日の影に、あたりの小砂利は五色ごしきに見えます。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
巌組いわぐみにこしらえた、小さな滝が落ちるのを、池の鯉が揃って、競って昇るんですわね。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
橋は心覚えのある石橋いしばし巌組いわぐみである。気が着けば、あの、かくれだきの音は遠くだう/\と鳴つて、風の如くに響くが、かすれるほどの糸のも乱れず、唇をあわすばかりの唄もさえぎられず、嵐の下の虫の声。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
橋は心覚えのある石橋の巌組いわぐみである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)