“巌洞”の読み方と例文
読み方割合
いわあな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余りいぶかしければ、はるかに下流より遠廻りにその巌洞いわあなに到りて見れば、女、美しきつまも地につかず、宙に下る。黒髪をさかさに取りて、いわの天井にひたとつけたり。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はやき流れの谿河たにがわを隔てて、大いなる巌洞いわあなあり。水の瀬激しければ、此方こなたの岸より渡りゆくもの絶えてなし。一日あるひ里のもの通りがかりに、その巌穴の中に、色白く姿乱れたる女一人立てり。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)