崩潰ほうかい)” の例文
それやこれやで夫の郷里の資産は出来るだけ崩潰ほうかいを喰ひ止めて置きい。わがまゝな夫は、将来、どんなに窮しても学問を金に替へることなどしさうもない柄であつた。
小町の芍薬 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
たちま崩潰ほうかいした程であるから、沿道の小名郷士ごうしの輩はふうを望んで秀吉の軍門に投じたのであった。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その騒ぎのうちに、ビルディングはすこしずつ崩れていって、やがて大音響をたてると、月明げつめいの夜が、一瞬に真暗になるほど恐ろしい砂煙をあげてその場に崩潰ほうかいしてしまった。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)