山階やましな)” の例文
先ず、知盛、重衡のひきいる三千余騎は山階やましなへ、通盛、教経のりつねら二千余騎は宇治橋を固め、行盛、忠度の一千余騎が淀の守りに当った。
行歩ぎやうぶかなへる者は、吉野十津川の方へ落ゆく。あゆみもえぬ老僧や、尋常なる修業者、ちごどもをんな童部わらんべは、大仏殿、山階やましな寺の内へ我先にとぞにげ行ける。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
山階やましなみやも英国の軍艦までおいでになって、仏国全権ロセスに面会せられ、五か条の中の一か条で御挨拶ごあいさつがあった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ある年九月十八日に例のごとく寺々に詣るに南山階やましな辺へ行く道の山深き所で五十ばかりなる男一尺ばかりなる小蛇を杖の先に懸け行くを見子細を尋ぬると
彼京都にあり、開港の上書を袖にして、山階やましな親王に至る、みちにて横殺せらる、実に元治元年七月十一日。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)