小肴こざかな)” の例文
お膳の上を見直すと、小肴こざかなもある、焼鳥もある、汁椀も、香の物も、一通り備わっているのだが、はて、早い手廻しだなあと、いよいよ感心しているうちに
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ところどころに煮干の小肴こざかなを落としてジョンを立ちどまらせ、自分は先へ先へと立った。
或る部落の五つの話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
覚際さめぎわか、蒼白あおじろい顔をして、つかつかと出て来たが、御飯に添えて小皿の小肴こざかなを、(このあたりの習慣である。)手に載せて箸をつけていた、雪代夫人をると、どしんと坐って
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
机竜之助は、薄暗い行燈あんどん火影ほかげを斜めに蒼白あおじろおもてに浴びて、小肴こざかなを前にチビリチビリと酒を飲んでいます。