小山内おさない)” の例文
小山内おさないさんが土曜劇場、……だったか自由劇場だったか、いや土曜劇場だったなたしか、あれをやっていた当時のことを知ってるだろう
陽気な客 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
庭の山茶花さざんかも散りかけた頃である。震災後家を挙げて阪地に去られた小山内おさない君がぷらとん社の主人を伴い、ともに上京してわたしの家をおとなわれた。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そしてまた、そのころは、自由劇場が、小山内おさないさんによって提唱され、劇運動の炬火きょかを押出した時でもあった。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
旧臘きゅうろう私は小山内おさない君の自由劇場の演劇を見た、仲々上手だった、然しあれを今の劇壇に直にまた持って来る事も出来ないでしょうし、文士劇でも勿論あるまい。
当今の劇壇をこのままに (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夫人の左には詩の評をする某夫人、右には二十はたち前後のぢよ詩人が三四人並んで居た。僕のあとから日本でなら小山内おさない兄妹きやうだいと云つた様な若い詩人が妹の手を取つてはひつて来た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
小山内おさない薫氏の令妹である岡田八千代(当時は、まだ小山内八千代)さんは、文句なしに美しかったし、まだ茅野雅子にならない前の増田雅子さんも、フレッシュで、そして聡明だった。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)