寿司屋すしや)” の例文
世は様々だ、今ここを通っているおれは、あすの朝になると、もう五六十里先へ飛んで行く。とは寿司屋すしやの職人も今川焼の婆さんも夢にも知るまい。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
次が西銀座にすばらしい店舗を持つ「久兵衛きゅうべえ」である。この店の主人は珍しく人物ができていて、寿司屋すしやにしておくのには惜しいくらいの男である。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
広小路ひろこうじの方まで行って寿司屋すしやだのおでん屋などに飛び込み、一時半か二時にもなってヒョックリ帰園きえんいたしますこともございますので、その日も多分いつものでんだろうと
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大方おおかたの青年層はふんだんに食えれば、それで大満足というわけだから、寿司屋すしや甲乙丙こうおつへいはまず分るまい。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
ムードとか云うものをげて、それを具合好く説明すれば、既に大半の批評は出来上ったように考えられるのですが、其ムードを作り上げるために、河岸かし寿司屋すしやとか、通りの丸花とか
木下杢太郎『唐草表紙』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東京における戦後の寿司屋すしや繁昌はんじょうたいしたもので、今ではひと頃の十倍もあるだろう。さかなめし安直あんちょくにいっしょに食べられるところが時代の人気に投じたものだろう。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)